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乳腺外科

診療科の概要

 当科では良性悪性を問わず乳腺の疾患に対応しています。良性疾患では良性腫瘍や炎症性疾患、男性にみられる「女性化乳房」などの診療を行っています。
 乳がんでは診断から手術・薬剤・放射線による初期治療*、再発時の治療や緩和ケアまで、長い期間、一貫した態勢で診療に当たっています。標準治療**を基に、患者さんの基礎疾患、年齢、ライフスタイルや優先順位なども含め、最善の治療方法をご一緒に考えてゆきます。
 私は2018年10月当院に赴任し、以来院内の各スタッフとともに乳腺診療向上のため、意を注いでまいりました。多くのすぐれたスタッフ(同僚医師、看護師、薬剤師、放射線・検査・リハビリ技師、臨床工学技士、管理栄養士、医療事務)が一丸となって、皆様の受診をささえています。
 西北五地域の皆様に専門性の高い乳腺診療をお届けすることが、私たちの務めです。お一人で抱えこまず、どうぞご相談ください。
*初期治療:乳がんと診断され他の臓器に転移のない患者さんが、治癒を目指して受ける一連の治療の流
      れ
**標準治療:有効性と安全性が科学的に確認された、現時点でもっとも優れた治療方法

乳がんの背景

 現在わが国では年間9万人以上の方が乳がんと診断され、女性のがんのうち罹患者数では乳がんが第一位です。最新の統計では日本人女性の9人に1人が、生涯のうちに乳がんになるといわれています。ほかのがんに比べ発症の年齢が低く、40代、50代といった家庭や社会で中心となっている世代の患者さんが多いことも特徴です。

画像診断と穿刺検査

 乳がんの画像診断はマンモグラフィと超音波検査が中心です。腫瘍(しこり)が見つかり病理診断が必要な場合、腫瘍に針を刺して検体を採取する「穿刺検査」をその場で行います。穿刺は超音波で直接腫瘍を目視しながら実施します。体格にもよりますが、3-4mmの大きさであればまず穿刺することができます。当科では腫瘍の硬さや血流の状態を評価できる機能を備えた、超音波診断装置を導入しています。  
 近年、マンモグラフィによる乳がん検診で「石灰化病変」を指摘され、その中から早期のがんが発見されるケースが増えています。石灰化病変のうち病理診断が必要な場合、当科では「ステレオガイド下マンモトーム生検」を行っています。2020年は19例に本検査が行われ、この中から6例の方ががんと診断されました。

手術

 乳がんの手術には乳房温存手術(部分切除)と乳房切除手術があり、腫瘍の大きさ、広がり、体格などに応じて術式が選択されます。腫瘍が大きく温存手術が困難な場合でも「術前化学療法」を行い、腫瘍を小さくして温存手術が実現できる場合もあります。乳がん手術のうち温存手術の占める割合は全国的に約60%ほどで、当科でも2020年は61.6%(温存手術45例、乳房切除28例)でした。なお温存手術では術後、温存した乳房に放射線治療を原則として行います(後述)。

 腋窩(脇の下)のリンパ節に対しては、標準治療であるセンチネルリンパ節生検を病理医との連携のもとに行い、術後の上腕浮腫(むくみ)のリスクを減らすようにしています。
 また弘前大学形成外科のご協力のもと、大きな進行乳がんを切除した後の皮膚移植手術も行っています。乳房用皮膚拡張器(エキスパンダー)を用いた乳房再建にも対応しており、日本オンコプラステックサージェリー学会による施設認定も受けています。

薬による治療

 乳がんではがんのタイプに応じて、内分泌療法薬、化学療法薬(=抗がん剤)、分子標的治療薬を使い分けます。一般に乳がんはほかのがんに比べると薬が効きやすく、薬剤の種類も豊富です。
 近年、がんの治療では学会などが編集した「ガイドライン」が普及しており、その中には「標準治療」が明示されています。標準治療を基にして、さらには患者さんの年齢、基礎疾患、ライフスタイル、優先順位、生活信条など多くの要件を勘案し、その方個人に最もふさわしい治療方法をご一緒に考えてゆきます。
 抗がん剤は副作用の多い薬剤ですが、初期治療で使用する場合、副作用をおそれて安易に減量したり、投与期間を延期したりしないことが重要です。抗がん剤の副作用に対しては、それを和らげるため各種の「支持療法」があり、これらの治療を行うことで安心して治療が受けられるような態勢をとっています。

 化学療法は、認定資格を持った看護師・薬剤師の常駐する「外来化学療法室」で、安全に配慮しながら行っています。

放射線治療

 乳がんで放射線治療が行われるのは、まず温存手術が行われた後の温存乳房に対する治療です。放射線治療を行うことによって、温存した乳房からがんが再発する危険を1/3に減らす効果が期待できます。
 このほか骨転移を生じたときの痛みや骨折の予防、脳転移の治療、がんが進行して乳房に浮腫や潰瘍を生じた場合などにも放射線治療が行われます。なお当院には放射線治療の設備がないため、「弘前中央病院」と連携して実施しております。

診療実績(2020年)

手術件数

  • 乳がん手術           73例
    ・乳房温存手術(部分切除)   45例
    ・乳房切除手術               28例(うち弘前大学形成外科との共同手術1例)
    ・その他の手術               19例(※内訳:ポート手術、良性腫瘍切除、リンパ節生検、腋窩手術
                       など)

検査件数

  • 穿刺検査
    ・針生検            96例
    ・穿刺吸引細胞診        45例
    ・マンモトーム生検       19例
  • 画像検査
    ・マンモグラフイー      1171例(※検診分597例 診療分574例)
    ・超音波検査(検査科実施分)   330例(※検診分115例 診療分215例)

 

スタッフ紹介

氏名 平尾 良範
役職 科長
医籍登録年 1990年
取得資格等
  • 日本外科学会 専門医・指導医
  • 日本乳癌学会 専門医・指導医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • 日本乳房オンコプラスティツクサージャリー学会 責任登録医師
  • 日本環境感染学会 インフェクションコントロールドクター(ICD)認定
  • 弘前大学医学部臨床准教授
  • 第56回マンモグラフィー講習会 修了
  • 第59回乳房超音波講習会 修了
  • 第7回がんのリハビリテーション講習会 修了
  • 弘前大学医学部付属病院緩和ケア講習会 修了
  • 第38回新臨床研修医指導医養成講習会 修了
  • 難病指定医

受付時間

【休診日】土・日・祝日・年末年始
【 〇=診察日 △=診察日(備考参照) ★=要予約診察日】

診療科 診療曜日 受付時間 診察時間 備考
乳腺外科 新患   8:15~10:00 8:30~  ・他医療機関からの紹介状持参の方は事前予約が必要
★水曜日は予約患者のみ
再来     7:00~10:30
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